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お父さんへ

お父さん
お父さんが天国に帰った
2005年10月4日

あれから17年が経ちましたね。

お父さん、
あっという間だった気がします。

と同時に

どれほど
喘ぎ過ごしたか、とも思います。

お父さんがいた頃

私が20代だった頃


新しい曲を弾くごとに

その曲がどれほど素晴らしいか
どれほど美しいかを伝えたくて

電話をし
そう、当時は固定電話しかなかった。

電話でピアノを聴いてもらっていた。

お父さんはじっと聴いてくれた。

その後
ぽつりと言ったね。


素晴らしい曲だ…


ありがとう…



あの頃
なぜ あのように

弾かずにはいられない感覚だったのか

私はわからなくなってしまっていました。

それが先週
完全に記憶が戻ったのです。
お父さん
あなたはご存知でしょう。

天の方だから。
昨日、
いつもこの日はこう過ごすように
おかあさんの家に行き

お父さんを偲びながら
わずかの時間でしたが、
一緒に食事をしました。

お母さんは変わりました。

お父さんがお母さんに宿っていました。

行った時と
帰る時、

ワインをお供えしてある
イエス様とマリア様の祭壇の
お父さんの遺影の前に

私は佇みました。


帰り際のそのとき

湧いてきて
つい 言葉に出て
自分で驚きました。

お父さん
やえこは12月で50になります。


お父さん
今からはじまります。


見ててください。

はじまったのです。


苦しかった
喘ぎの年月は

私にはすべて
これからに必要なものでした。

はじまります。

お父さん。


あなたはご存知でしょう。

見ててください…


あなたの娘の
生涯最後のしごとを…

湧いてきた思いです。


お父さん

人生とはなんと深淵でしょう。


私はわたしに与えられた
宝を
最大限に活かし
輝かせて

神様のなさりたい
功績をしていきます!