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レッスンでの言葉の花束〜16年続いている大学3年生

16年通っている大学3年生の言葉

ベヒシュタイン前のピアノの時は、軽くタッチしたら音が抜けていました。

でも4年前に(先生のピアノが)ベヒシュタインになってからは、触っただけで音が出るのにびっくりしたのを覚えています。

そして、昨日調律されたピアノを今弾いて改めてそのことを感じました。

今日は、強く弾くと音がこもってしまうことに気づきました。
こうじゃない。この音じゃないって。

でも、よく先生がおっしゃるように、「1音に指をのせるだけ。これが本来の1番美しい音だからね。」
ということを意識して弾きました。すると、なるほど やさしい音が出て、やすらぎました。

その語りに感動して尋ねた


とても繊細に感じられているね。
そしてその心の様をすぐに言葉にできるあなたはすばらしい。
どうしてこのように わかりやすく言葉で伝えることができるの?


生徒さんの答え

先生はいつも
「私の音」を聴いてくれてきた。
「私自身」を見てくれている。
だから、安心して私は自分の世界観をピアノでいつも確認してこれた。

どう感じているか、
どこに不快感を感じているか、
そしたらどうしたらいいと思うか?

そのことを丁寧に聞いてくれて
先生は自分の意見を言葉になるのを待ってくれる。
だから、私は自分の感じていることを時間をかけて音にすることの心地よさにいられる。

ひかなきゃならないっていうプレッシャーがありません。
 
強要されず
ただ音への向かい方を教えてくださるので
自然体でピアノの音色に
集中できます。
それが楽しい。
だから16年続いています。


数々のレパートリーを持つ理系大学生。
このように先生のおかげと言ってくれますが、私は「教育」の為にしていないのです。
ただ「生徒さん」の中にある素晴らしさに興味があって愛しているだけです。

木曜日、この子を私は心から立派だと思いました。

何が立派と感じるか。

それは

自分の内側を感じ、それを言葉にあらわし、再確認して、そのプロセスに感謝し、前に進んでいること。
それらは至って自然でなされていること。


だからでしょう。
この様な性質で
勉強の領域も、将来への展望もこの生徒さんはクリアに向き合っているのです。

この教室は
この生徒さんのように「じぶん」を生きている方々ばかりです。

そこに毎日私は感動するのです。

小さな子も
私は尊重しています。
なぜなら、彼女のように「立派さ」が既に宿っていると信じていますし、見えるからです。


さいたま市緑区ピアノ教室
まえだやえこ