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日常にあるピアノ

おはようございます。早朝から濃い霧に覆われ、今もまだ遠くは霧の中にあります。お元気でいらっしゃいますか。寒くなってきましたね。
私は昨日、おとなの生徒さんのおうちにお招き頂きました。
9月に新しいピアノをお迎えされ、「ピアノに是非会いに来てください」とお誘いくださり、楽しみにしていた日でした。

リビングダイニングの中央に

しずかに佇むマンション。あたたかな照明が要所要所を照らす空間。ウエルカムオータムフラワーと蜜蝋のキャンドルがしずまりを深める役割を担って、そのなかに進み入る私はすぐにやさしいもてなしに包まれました。

おうちの中央に配されたピアノ

毎日時間に追われているのですよ、と微笑みながらおっしゃっる生徒さん。小学生と中学生の2人のお母様である生徒さん。お子様たちの学校からのお知らせプリントがきれいにボードに貼られていました。

ピアノに対面させて頂き、ウエットティッシュで手を拭き ふうっと息を整えて触れさせて頂きました。

まるで鏡のようにうつしだす立ち姿

出逢い求められたヤマハは、すぐに大変良い品だとわかりました。歴史を歩み、この度、生徒さんのご家庭に迎え入れられたピアノは、「きっとおばあちゃんが孫のために最高に良いピアノを!、とお買い求めになったのでしょうね。」と、調律師さんがおっしゃられたそうですが、深く納得して うなづいてしまう素晴らしさ。めぐり合わせとは何という恵みでしょう。

座らせていただき、音を出してみました。

透きとおる音色。楽器のボディー全体で支え抱き 生み出されてゆく共鳴。

座る者のあるがままと 空間をそのまま受容しながらうつしだす ラッカー塗装のまるで漆塗りのような美しい姿。

1音1音を重ねてゆき 生み出される調和

馴染みの旋律を触れ、紡ぎ出させて頂きながら、「唯一のピアノ」の宿され在る満たしに浸されていきました。

秋のおばんざいのおもてなし

味がじっくり染み込んだおでん。
ホクホクの栗が沢山炊き込まれた栗ご飯。
九州のお味噌の里芋.キノコや冬野菜のお味噌汁。
ほうれん草のお浸しは 自家製の和えだれが。絶品でした。ピーナツバターにリンゴ酢を加え、少しのお塩で味を整えられたとのたれは、初めて頂き、絶妙なお味に何度も目をパチクリ。どの品からも愛を感じて、それはそれは美味しく、幸せとはこういうことを言うんだわ、と思っていました。

心込めて作られた食事は人を癒す

お忙しい日常にあられて、迎えるこの者の為に手間暇、知恵を使われてご準備くださったことが本当に嬉しくて 懐かしくて あたたかくて胸がいっぱいでした。

「ピアノ」は「弾く」を越える存在

ピアノは「弾く」という物理的なアクションを越えるのですね。

その方の日常にたとえ弾いていない時間であっても「うつしだし」「受容し」「いつくしみ持って共に共鳴をよろこぶ」。

ゆっくり 沢山 わかちあい過ごす恵み

気づくと あたりは夕方へと移行していました。お嬢様も息子さんも帰ってこられ、日常の癒し空間はおふたりをしずかにあたたかく迎えいれ、寛がせています。

ああ、この日常空間にピアノがあるのですね!

今 想い起こして 余韻のなかにいさせて頂きながら書いています。

日常に響くピアノ。

鍵盤と音と弾く者の存在がみなみなひとつに響きあいます。聴くものも、また分かち合うものもひとつに成らしめて。

霧のなかにあっても ぬくもりとよろこびに満たされている真実


思い出に刻まれる美しい昨日。
その余韻は明日へ続く「今」を生きるエネルギーとなりました。



「おひとりおひとり」は「たったひとりのかけがえのない 生徒さん」です。

出逢いと共鳴に心から感謝します。


週の中日にやさしさが

いつも共にありますように。
やさしさとぬくもり。
そして ありのままと共鳴してくれる全地を覆う響きが 生徒さんを満たしますように。みなさまを、私を満たしますように。

どうか、お元気でお過ごしください。お幸せでいてください。

いつもありがとうございます。

さいたま市緑区/浦和区ピアノ教室
まえだやえこ