先週土曜日、中3の生徒さんが 伴奏をする 合唱コンクールを楽しみに行きました。
遡り、生徒さんが伴奏者に決まって、楽譜を持ってきた時、私は曲の美しさに感動しました。
伴奏の美しさにも。
部活動の最終を迎え、やりきり、そして受験へ向かう。
その多感な 揺れながらも 邁進する時に ピアノに向かう。
曲に向かう。
ステージでの演奏。
立派でした。
出だしの2人のソロも 曲の一部となり歌い上げ、ピアノの彼女も主張するのでなく、一体感の中に溶けこみ、素晴らしかった。
ただ 想像よりテンポが早く設定され、もう少しクラスメイト達の現在持っている力の声がしっかり響けて、歌詞を意識できる速さであったら、また、歌詞を黙想するなどして、更に音楽づくりが 深まっていたなら彼らの演奏はもっともっと輝けただろう、 とは思ったのでした。
しかし、しかし、そんなことは小さいことなのです。
彼らが 歌詞に向き合い、メロディーに想いを重ね合わせ、みな ひとつとなり 分かち合い過ごしてきた時間は どれほど 尊いか、を感じるのです。
中3の合唱の後のブラスバンドの演奏も楽しませて頂きました。
ステージで演奏するひとりひとり、また、ステージを楽しむ客席の生徒たちひとりひとりを 2階の高さのある席から見ながら胸が熱くなりました。
今、地球の酸素の20パーセントを供給するアマゾンの熱帯雨林の森が80パーセント燃えている。世界は 大きな転換期であることを 知っているだろうか、とふとよぎりながらも、と同時に「自分の価値と可能性」を 人や世の中の価値で見るのではなく、地球の一部として 素晴らしい尊い存在であることを自ら知り、誇りを胸に今を生きてほしい!と願い ひとりひとりを 褒め称える想いが湧いてなりませんでした。
そして 中学生たちが みんなみんな 純粋で よいものを見ていける素晴らしい目と心を持っている姿に 心から 嬉しくなったのです。
後に頂いた生徒さんのお母様からのラインには「クラスの皆と響き合えた事に清々しさを感じているようです。」と書いてありました。
今後のレッスンでは 弾きこみに入っている悲愴ソナタやシューベルトの即興曲、ショパンワルツなどの沢山のレパートリーに加えて、今回合唱で弾いた曲も 受験までのレッスンで弾かせてあげよう、と思います。きっと音楽はこれからも彼女を励まし続けるでしょう。
昨日、夜半に仕事で1週間まえからアンゴラに行っている生徒さんとラインでやり取りをしました。昨日、勤務地はアンゴラから南アフリカへ移ったそうです。
その生徒さんが小3の時(2001年)にアメリカの同時多発テロが起きました。その2年後(2003年)にはイラク戦争が。それらの出来事は彼女の考え方に大きな影響を与えます。 「世界へ出て平和の仕事をする、と心は定まった」と言います。
その後 早稲田大学を出、青年海外協力隊(JICA)でエルサルバドルに行き、2年の勤務を終え、今は日本の本部で働いています。
彼女は子供の頃からとにかく音楽が大好きで、妹のピアノのレッスンに時折ついてきては 3人で歌ったりして一緒に楽しみわかちあってきました。
中、高は吹奏楽、大学ではオーケストラを。卒業し海外に行くときはソプラノリコーダーを持参し、帰国しての今は、職場の方々と時折、鍵盤ハーモニカでアンサンブルを楽しみます。そしてかつて高校.大学時代に吹いていたトロンボーンをもう1度深めたい、と、月に1度、私の伴奏に合わせながら濃密な音楽時間を過ごしに来ています。
「栞ちゃん。世界平和の為に働いてアンゴラから南アフリカに移られたのですね!栞ちゃんは
そのように世界を渡りながら平和を生み出すミッションがあるのですね。尊敬します。」と私は送りました。すると来た返事。「と言うよりは、私は世界中でそのミッションを達成しようとしてる人たちを裏方で支援する、という感じの立場ですかねぇ。トロンボーンもオケでは裏方楽器ですし、裏方が好きなのかもしれません。笑」と。
裏方である ミッションに立派に立ち、よろこび邁進する姿を離れていても見えるようです。
同じ空で繋がっている 私たち。
中学生も すぐに 大人になります。
どうか、自分の存在が 素晴らしく、美しく、世界の よろこびと平和を生み出す 最高傑作だと知っていてほしい!