男の子の生徒さんが言った。
「まだまだ だめですよね。ぼく。」「失敗ばかりです。」
まちがったり、とまったりしながら弾いたことを悔いている様子が伺えた。
わたしは言った。
「すばらしいよ!チャレンジしている。おうちで ひとり 音に向き合ってきたのが先生には見えるよ。今はプロセスの途中なのだから、間違って当然。自然なことだよ。あなたは すばらしい。」
すこし 彼の表情がゆるんだ。
わたしはその様子を見て 息をゆっくりはきながらノートを開いた。
その彼のレッスンノートを。
大切だと感じることは、いつも走り書きだが記録する。おうちで見返せるように残したいのだ。
ゆっくり話した。
「これから、まだまだダメだ、と心に浮かんだら、こう言い換えようよ!
ぼくは 伸びしろがまだまだある!
どんどん うまくなる!もっと 知っていける!ぼくはすばらしい!」
と。
おだやかさが空間を包んだ。
わたしたちは つい自分にダメ出しをしてしまう。でも それは かぎりあるエネルギーを無駄にしてしまう。
まだまだだ!と思うことは素晴らしいことではないか!
もっと豊かな世界が すでに見えている、ということなのだから。
その まだ現実には現れていないが 確かにある、と感じている素晴らしい世界へ向かう為の 勇気とエネルギーこそが、わたしたちには必要なのだ!
さいたま市緑区 /浦和区ピアノ教室
まえだやえこ
写真/山形県米沢市へ向かう国道にて
(親愛なる児玉先生とドライブ)