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小さな手


幼稚園の
おチビちゃんのレッスンで。

「てくびがさがってしまうと
    おもさ
    てくびで
    ぜんぶとまっちゃうのよ。

    せんせいのおてて みてごらん。」


すると
じろりん  じろりん

おちびちゃん
不思議そうに
わたしの手と
自分のお手手をならべる。

じろりん じろりん



そして
ゆっくり
わたしの血管浮き出ているところを
ちいさな お手手で
やさしく   さすりはじめました。



ねえ、せんせっ。

わたしの おてては
おにく が たっぷり あるでしょ。

せんせいは おにく がないから
あおい せんが  みえるのね。

ああ、そうなんだね。




ああ
そこを 見ていたのね。

血管が浮き出ている私の手。
その浮き出ている理由を
彼女は
おにくの量だと、
そう納得したようでした。



かわいいなあ、と思いました。

かわいいなあ、と思いました。


こどもは
こどもの やさしさが あるのですね。




せんせ、
ペン かしてください。

わたし かいていい?


そう言って

「てくびが さがらないように。」
って 
ていねいに 書きました。

書き終わって
ニコッと
私を見て 満足した
幼い おつむを

私は
ほほえみながら
なでました。


「やさしいこね。いいこね。」
と。



  


きっと
あっという間に
小学生時代が
進んでいくのでしょう。


ああ、
瞬間瞬間は
なんて 美しいのでしょう。




毎回
先生と
よろこびを 
うんとうんと味わえますように。


弾く楽しみを
やさしく
深めていけますように。





彼女が
ひとりの女性になる時が
必ずくるのですね。


そのときに
何を弾いているのでしょう。



よろこび満ち溢れる
美しい女性になっているでしょう。





感謝します。

世代を超えて
よろこびを 共有でき、
笑いあい、
音に満たされて
響きあえる恵みを。


そして
ちいさな 
可愛らしい ことばの花束を
受け取ることができる
恵みを。
 



どの子との
どの方との 
瞬間瞬間も

尊いプレゼントとして
受け取っていけますように。







プティとウォーキング途中
杏が満開でした。
   
1日のなかで
いちばん嬉しいウォーキングの
プティ。


彼のよろこびに
存分に
響きあえますように。


今年も訪れてくれた
やさしい春に

すべてが包まれ

微笑みを
交わしあえますように。

みなさま、
お元気でお過ごしくださいね。