大学からの親しい友人が
先日、訪ねてきた。
久方ぶりに
ピアノ教室を再開するために
見学をさせてもらいたいな、と。
生徒さん達は
こころよく
「どうぞ!」
と言ってくださった。
⬆︎
その友人が作った曲を
わたしは ずっと愛している。
彼女の作品。
「春をはこぶひと」
題名も素敵だが、
メロディーのやさしさに、
何度 癒されてきたことだろう。
彼女は
東京藝術大学に合格したが、
東京音楽大学
全額免除の特待生として
入学した。
そして
わたし達は出会った。
大学1年の時、
ツィメルマンを教えた
名教師として有名だった、
ポーランドのヤシンスキ教授の
公開レッスンで、
彼女がステージで弾いた
ショパンエチュードの
25-6
(超絶技巧の3度のエチュード)
に度肝を抜かれた。
卓越したテクニック、
洗練された歌心、
また、容姿の美しさ。
その感動は
今でも新しい。
まさか、
私たちが親友になるとは
その頃のわたしには
想像もつかなかった。
卒業してどれ程たってからだったか、
リサイタルの素晴らしさも
忘れられない。
結婚して授かった
長女ちゃんは
自閉症という賜物を持って
うまれてきた。
彼女は
弾くこと、
教えることを
横においた。
今も
こどもたちの成長に
時間とエネルギー、愛を
注ぎ続けている。
そして
長女ちゃんは
お母さんの 「ご大切」を
全身で受けながら
立派に高学年になった。
次女ちゃんも
健やかに育ってきている
今、
彼女は
本格的に
ピアノ教室再開を決めた。
毎年
薔薇の季節に
決まって
遊びに来る彼女は
今年、
その頃、
本格的に
開講の準備を整えているのだろうな。
話は現実の今に。
レッスンを聴講している彼女は
ともに 楽しそうだった。
離れて見ていたのに
しばらくすると
私のすぐ横にいて、
生徒さんの出来たことに拍手し
微笑み
よろこんでいる。
生徒さんは
まったく 普段と変わらない。
むしろ、
響きあう
その 特別な時間を
楽しんでいるようだった。
まゆこ先生も
わたしも
みんなみんな
音の中でひとつになっていた。
この居心地のよさ、
ここちよさは
音楽からの贈り物。
そして
わたしは感じていた。
お嬢さんを通して
多くを感じ
考え
選択し
ともに生きる中で、
まゆこの心の深みに響き続けている
音楽は、
ますます
愛と 信頼と 力を
これから 表していくのだろう、と。
彼女の素晴らしさ。
それは
第1のものを大切にするとき、
卓越した立ち位置をも
さらりと横におけること。
そのような彼女だからこそ、
きっと
生徒さんのレッスンで
ひとりひとりの成長に
自然体の愛を持って
伴うに違いない。
お互いがお互いを生きながら
ときをともに過ごしてきた。
響きあう やさしさに
変わらない 信頼を知った。
(わたしの日記帳より)
誠実な友は、堅固な避難所。
その友を見いだせば、
宝を見つけたも同然だ。
誠実な友は、
何ものにも代え難く、
そのすばらしい値打ちは計り難い。
誠実な友は、生命を保つ妙薬。
旧約聖書
シラ書より引用
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